麻雀はなかなか勝てない時期があります。
ではなぜ勝てないのでしょうか。
この記事では、麻雀が勝てない15の理由と有効な脱出方法についてお伝えしています。
あわせて強豪麻雀プロの勝てなかった時期についてもお伝えしています。
勝てない状況から抜け出すことができます。
麻雀勝てない15の理由と脱出方法
麻雀勝てない理由と脱出方法は、技術、考え方、メンタルに関する次の15項目です。
技術
麻雀が勝てない技術に関する理由は、次の7点です。
- 牌効率のみで手を進めてしまう
- 押しすぎ
- 引きすぎ
- リスクとリターンが見合っていない
- 手役や打点を見過ぎてしまう
- 全局アガリに向かう
- ルールの特徴を把握していない
牌効率のみで手を進めてしまう
牌効率とは、最速でテンパイにたどりつく選択のことですが、逆に言いますとテンパイ以外のことを考慮に入れていません。
つまり守備や打点、テンパイした時の待ちの良さなどは度外視しています。
確かに先制リーチを目指す打法は強いのですが、毎回先制リーチが打てるものでもありません。
むしろ相手が3人いる以上、先制されるほうが多く、守備も重要です。
また時には点棒状況として、打点を作らなければいけない時もあるでしょう。
そして良形でテンパイすることも重要なポイントです。
脱出方法|守備や打点も考慮に入れて手組みをする
牌効率だけでなく守備や打点なども考慮に入れ、手組みをしましょう。
例えば悪い配牌なら安全牌を抱えたり、悪形リーチのみになりそうなら、手役も視野に入れたりします。
また良形でのテンパイをすると、めくり合いになった時に勝つ確率が高くなります。
押しすぎ
押し引きは、成績に直結します。
しかし麻雀で一番難しいのが、押し引きです。
押しすぎはいい結果が出ることもありますが、大きく負けることも多く、トータルで勝つことは難しいでしょう。
脱出方法|押し引きの目安を確認する
基本的な押し引きの目安を確認しましょう。
- 平均打点が5000~6000点
- 平均6巡目で2シャンテン
→これより良ければ攻め、悪ければ守る
この平均値による押し引きを、多井隆晴は推奨しています。
確かにこれは基本的な目安であり、実際には待ちの良し悪しや相手の打点、順位なども考慮に入れる必要があります。
しかし押しすぎている人は、この押し引きバランスが押しに偏っていますので、今一度、基本を確認することは大事なことです。
この基本を確認した上で他の要素も考慮に入れていけば、適切な押し引き判断ができるようになるでしょう。
押し引きについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
多井隆晴の強さの理由についてはこちらの記事をご覧ください。
引きすぎ
引きすぎは、せっかくの加点のチャンスを逃し、ツモられてじわじわと失点していくジリ貧の状態に陥りがちです。
自分の手牌に価値がある場合は、積極的に押していく必要があります。
脱出方法|押し引きの目安を確認する
やはりこの場合も、多井隆晴の言う基本的な押し引き判断を確認する必要があります。
「押しすぎ」の項で挙げました平均値による押し引きの目安を確認しましょう。
リスクとリターンが見合っていない
麻雀では、リスクとリターンのバランスが大切です。
例えば手牌がバラバラなのに、1000点の仕掛けをしたり、悪形リーチのみを打ったりといった場合です。
このような場合は、リスクとリターンが見合っていません。
遠くて安い仕掛けは、相手のリーチに手詰まりしやすく、たとえアガったとしても1000点。
悪形リーチのみは、ドラや赤を持っている人に押し返されやすく、放銃した時は大きな失点になります。
脱出方法|基準を持つ
むやみに鳴いたりリーチするのではなく、基準を持ちましょう。
例えば仕掛けは3,900点以上とか、リーチは2,000点以上といった基準です。
基準をどこに置くかはその人の考え方にもよりますが、リスクとリターンを考慮せず、むやみに鳴いたりリーチするよりは、成績が安定するでしょう。
手役や打点を見過ぎてしまう
手役や打点を必要以上に追ってしまうと、牌効率上、大きなロスを負ってしまうことがあります。
それらが必要な場面もありますが、毎回決め打ちをしてロスを負っていると、スピードで勝てなくなります。
脱出方法|良形率やスピードを重視する
手役や打点を見過ぎてしまう人は、テンパイした時の良形率やスピードを重視してみましょう。
特にリーチが強い現代麻雀では、良形を作ってリーチすることが有効な戦術です。
また赤がある麻雀では自然と高くなることも多いので、スピードを重視することも重要です。
このように良形率やスピードを重視してみましょう。
全局アガリに向かう
配牌はいつもいいとは限りません。
バラバラでドラもなく、テンパイすら難しそうな配牌はよくあります。
しかしそんな悪い配牌でも、字牌から処理していくのは得策ではありません。
なぜなら麻雀で大事な守備力、速さ、打点のすべてない手牌になってしまうからです。
脱出方法|チートイツかホンイツを目指す
悪い配牌の時は、チートイツかホンイツを目指しましょう。
チートイツは、字牌などのより安全な牌を残せますし、ホンイツも字牌を持てます。
そのため守備力があります。
それでいてチートイツはリーチしてドラもあれば満貫になりますし、ホンイツは役牌と絡めば高打点が見込めます。
このようにチートイツとホンイツは、守備力と打点を兼ね備えた攻守兼用の役なのです。
近藤誠一プロの第一打
近藤誠一プロは、Mリーグでこの配牌+第1ツモからを捨てています。
近藤誠一プロの狙いは、国士無双、マンズのホンイツ、一気通貫です。
この第一打からわかるようにメンツ手は諦め、安全度を優先しています。
狙いにチートイツはありませんでしたが、最終的に次のようなホンローチートイツでアガリました。
ルールの特徴を把握していない
麻雀には様々なルールがあります。
赤牌の有無や順位ポイントの違いなど、様々にルールが異なります。
例えば一般的な雀荘のルールではオカやウマがあり、トップの価値が高くなっています。
これに対し例えば天鳳では、4位のポイント減少が大きく、4位を回避することが有効な戦術になります。
このようなルールの違いを理解し、それに対応する打ち方が求められます。
脱出方法|価値の違いに対応する
ルールの違いによって、順位や牌の価値が異なります。
そのためその価値の違いに対応した打ち方をしましょう。
例えば赤牌が入っているルールでは、役の価値が下がります。
そのためドラや赤を何枚持っているかで押し引きの基準が変わってきます。
また1位の価値が大きい雀荘などのルールでは、1位をとるためにメリハリのある押し引きが重要になります。
一方、天鳳のような4位のポイント減少が大きいルールでは、ラス目の親を流したり、ラス目には放銃しないようにしたりとラス目に厳しく打つ戦術が有効です。
天鳳の段位制度については、こちらの記事をご覧ください。
オカとは? ウマとは?
オカとは、1位の人がもらえるボーナスポイントのことです。
例えば「25,000点持ち、30,000点返し」のルールなら、1位の人はゲーム終了時、20,000点がもらえます。
ウマとは、ゲーム終了時、4位の人が1位の人へ、3位の人が2位の人へ渡すポイントのことです。
例えば「10-30」なら、4位→1位 30,000点、3位→2位 10,000点となります。
考え方
麻雀が勝てない考え方に関する理由は、次の5点です。
- 悪い偶然が続く
- 様々な情報に振り回される
- 同じミスを繰り返す
- 結果論で考える
- 惰性で打つ
悪い偶然が続く
麻雀の特徴は、偶然性です。
この偶然性とどう向き合うかは、麻雀のプレイヤーにとって永遠の課題です。
しかし一方で、偶然に対して人間は無力であることも事実です。
自力で悪い偶然に会わないようにすることはできません。
脱出方法|全力でプレーする
悪い偶然が起きた時こそ、全力でプレーしましょう。
偶然性をコントロールできないのであれば、諦めるよりありません。
しかし悪い偶然が起きた後、全力を尽くすのか、それともツイてないと投げやりになるのかで、その後の結果が違ってきます。
悪い偶然が起きた時こそ、全力プレーを心掛けましょう。
様々な情報に振り回される
様々な戦術などの情報を、知識として吸収することはよいことです。
しかしその情報を知識として使いこなせなければ、情報に振り回されるだけです。
麻雀は一つとして同じ状況はなく、その状況に応じて自分で考え、自分で判断していく必要があります。
そんな麻雀において様々な情報は、その判断を助けてくれるものではありますが、そのために混乱し、統一した判断が下せないということも少なくありません。
脱出方法|情報を取捨選択する
情報をどれもこれも取り入れるのではなく、一定の基準で取捨選択していきましょう。
例えば自分の考えや好みに合うとか、今の自分のレベルに合うといった基準です。
どれもこれも取り入れていくよりは、自分に合った形で取り入れることができます。
そしてそのようにして得られた知識は、実戦を繰り返す中で、より自分のものとして身につくはずです。
同じミスを繰り返す
麻雀は、ミスの多いほうが負けます。
- オーラスに気づいていなかった
- 点棒状況を確認し忘れた
- ノーチャンスの牌を見落とした
このようなミスは誰でも一度は経験したことがあるでしょう。
しかしこのようなミスを繰り返していれば、勝つことはできません。
脱出方法|原因を考え対策を立てる
なぜそのミスをしてしまったのか原因を考え、繰り返さないためにはどうしたらいいか対策を立てましょう。
例えば
- 局が始まる前に何場の何局か確認する
- 局が始まる前に点棒状況を確認する
といった対策です。
そしてそれが習慣になっていけば、ミスの発生も少なくなっていくでしょう。
ノーチャンスとは?
ノーチャンスとは、ある牌が4枚見えている時、その前後の牌が当たりにくくなることを言います。
例えば七万が4枚見えている時、八万は五八万のリャンメンで当たることはなく、通りやすいと言えます。
結果論で考える
よく麻雀は「たられば」で考えるなと言われます。
「あれを鳴かせなかったら」とか「あれを切っていれば」という考え方です。
しかし相手の手牌やツモ山が見えない以上、そういう結果論には意味がありません。
なぜならそのような結果論では、雀力が向上しないからです。
脱出方法|ミスを適切に評価する
自分の選択ミスは、結果に関わらず適切に評価していきましょう。
結果論で考える人は、結果がよければ自分にミスはなかったと考えます。
しかし結果がよくても悪くても、ミスはミスです。
結果に関わらず、選択ミスとして反省しなくてはなりません。
このようにミスを適切に評価できれば、雀力の向上が見込めます。
惰性で打つ
自分のレベルが上がっていき同じレベルの人と打つようになると、それまでのようには勝てなくなるものです。
そんなとき自分のレベルはこんなものだと見限り、惰性で打つと、そのレベルさえも維持できなくなります。
つまりそこで成長が止まり、モチベーションもないことから、元の実力さえ失ってしまうのです。
脱出方法|目標を持つ
自分なりに考えた目標を持ちましょう。
例えば
- 押し引きの精度を上げる
- ライバルに勝つ
- ネット麻雀で一つ段位を上げる
- 天鳳位や魂天になる
といった目標でもいいでしょう。
ただ漫然と惰性で打つのではなく、目標を持つことでモチベーションが上がり、勝てない状況から脱却できます。
メンタル
麻雀が勝てないメンタルに関する理由は、次の3点です。
- 悪いイメージを引きずる
- 平常心を失ってしまう
- コンディションが悪いのに打ってしまう
悪いイメージを引きずる
ミスをしたり、4位になったりすると、次の対局にもその悪いイメージが残ってしまうことがあります。
「またミスをしてしまうのではないか」
「また4位になってしまうのではないか」
そんな悪い予感がよぎります。
そんな時はたいてい結果も悪くなりがちです。
脱出方法|忘れる
ミスや4位になったことを忘れましょう。
このことを教えてくれるのが、「風の大地」の次の場面です。
ミスは忘れなさい。ミスの原因だけを記憶するのです。ミスそのものは財産とはならないのでミスを背負ってはいけません。 pic.twitter.com/EJNVZfvrCZ
— 星井みかげ (@MikageHoshii) March 11, 2019
ミスの原因を記憶することによって、ミスの再発を防止できます。
そしてミスを忘れることによって、悪いイメージを残さずに次の対局にのぞめます。
このようにミスの原因だけを記憶し、ミスしたことは忘れましょう。
風の大地とは?
風の大地とは、主人公沖田圭介が師の小針春芳の指導を受けながら、プロゴルファーとして成長する姿を描いた漫画です。
風の大地が気になる方はこちらもチェックしてみてください。
→風の大地(83) (ビッグ コミックス) [ 坂田 信弘 ]平常心を失ってしまう
対局中の出来事により、感情的になってしまい、平常心を失ってしまうことがあります。
例えば、こんな場合です。
- 4位になり熱くなってしまった
- 理不尽な出来事が起こり熱くなってしまった
- ミスをして気持ちが萎えてしまった
このように平常心を失うと、たいてい結果は悪くなります。
脱出方法|平常心を保つ方法と平常心を失った時の対応方法
平常心を保つ方法と、平常心を失ってしまった時の対応方法です。
平常心を保つ方法
- 避けられない4位と割り切る
- 理不尽な出来事はなかったものと考える
- ミスを前向きに捉える
避けられない4位と割り切る
ミスをしていないのに4位になってしまった時は、避けられない4位だったと割り切りましょう。
麻雀は偶然の要素があるため、避けられない4位があります。
ミスがないのであれば、そう割り切って気持ちを切り替えましょう。
理不尽な出来事はなかったものと考える
なかったことにはできないのですが、なかったものと考えましょう。
強引なやり方ですが、そのほうが結果はよくなります。
ミスを前向きに捉える
ミスをしてしまった時、そのミスを前向きに捉えましょう。
例えばミスをしたら、「もうしないぞ」と気を引き締めます。
平常心を失った時の対応
とは言っても平常心を失ってしまうこともあります。
そんな時の対応方法です。
- いったんやめて時間を置く
- 深呼吸をする
いったんやめて時間を置く
もし平常心を失ってしまったら、すぐに次のゲームを始めずいったんやめて時間を置きましょう。
そして気持ちを落ち着かせましょう。
深呼吸をする
深呼吸をしてみましょう。
冷静さを取り戻すきっかけになるはずです。
コンディションが悪いのに打ってしまう
麻雀では、思考力、集中力、判断力、洞察力、注意力などが求められます。
しかし体調が悪かったり、疲れていたり、感情的になっていたりすると、そのような能力が減退します。
つまり体と心のコンディションは、麻雀の成績に影響を及ぼします。
魚谷侑未もこのように言っています。
麻雀打つ時って体調・精神状態がかなり大切なんですよね。
— 魚谷侑未 (@yuumi1102) March 25, 2022
スポーツじゃないんだから関係ないでしょ。なんて思われがちですが、脳みそフル回転するのと判断力のゲームなので何かが少し鈍るときちんとした判断が出来なくなってしまいます。
対局に向けていい状態を作るのも仕事のうちですね(苦手です
脱出方法|対局可否のルールを決める
「このような時は打たない」というルールを、具体的に決めましょう。
例えばこのようなルールです。
- 体調不良の時は打たない
- 時間に余裕のない時は打たない
- 仕事の後は4半荘までにする
- 4位のあとはいったん休憩する
- イライラしていたらいったん休憩する
このように対局可否のルールを決めれば、コンディションが悪いのに打ってしまうということもなくなるでしょう。
麻雀が勝てない状況を突破するには、麻雀戦術本を読むのもひとつの方法です。
こちらの記事では麻雀戦術本をご紹介していますので、ご覧ください。
強豪麻雀プロの勝てなかった時期
麻雀プロの中でも強豪と言われる多井隆晴プロ、村上淳プロ、小林剛プロも勝てない時期がありました。
多井隆晴
Mリーグでは4シーズン連続でレギュラーシーズン+200ポイントを達成し、麻雀界最強と言われる多井隆晴。
しかし当時、最高峰のリーグ戦と言われたRTDリーグ2018で、屈辱の降格を経験しています。
本人は「RTDリーグでの降格は、麻雀プロとしての死を意味する」とまで言っていました。
しかしこのリーグ戦で7位となり、入れ替え戦でも負けたため翌シーズンは不出場となっています。
RTDリーグ
藤田晋が各プロ団体からトッププロを招集し、行われたリーグ戦。
全試合がABEMAで配信され、当時最高峰のリーグ戦と言われました。
RTDリーグの試合はABEMAプレミアムで見ることができます。
村上淳
最高位3期など数々のタイトルを獲得している村上淳ですが、RTDリーグ2018で8位となり、自動降格になっています。
またMリーグ2021-22のレギュラーシーズンでは、個人スコア-384.1と不調を極めました。
小林剛
将王4期、RTDリーグ2018優勝など輝かしい実績を残している小林剛ですが、第四期天鳳名人戦で4連続4位となっています。
麻雀は勝ちにくいゲーム
麻雀はそもそも勝ちにくいゲームです。
通常の1対1のゲームとは異なり、4人でゲームが行われます。
そのため1位を勝ちとするなら、勝つ確率は4分の1しかありません。
このため麻雀が勝てないと思ってしまうことは、仕方のないことなのです。
そこでこのようなゲーム性を理解した上で、次のような考え方も必要になります。
- 平均順位を上げることを目指す
- 無理に1位を狙うのではなく、一つ上の順位を目指す
このように短期的ではなく長期的な考え方も、麻雀では必要になります。
麻雀の楽しみ方
麻雀を楽しむためには、そもそも勝ち負けを目的にしないことです。
負けることのほうが確率的に多いのですから、そこを目的にしてしまうと楽しめません。
そこで、自分の上達や成長に注目してみましょう。
例えば、今日は相手の手牌が読めたとか、ある点に関して理解が深まったといったことです。
このように勝ち負けを目的としないことによって、麻雀をより楽しむことができます。
麻雀勝てない15の理由と脱出方法 強豪麻雀プロの勝てなかった時期|まとめ
- 麻雀が勝てない15の理由についてそれぞれ有効な脱出方法があります
- 強豪麻雀プロでも勝てなかった時期があります
- 麻雀は勝ちにくいゲームです
私も勝てなくて、思い悩んだ時期がありました。
そんな時は藁にもすがる思いで戦術本を読んだり、強い人に教えてもらったりしました。
強豪と言われる麻雀プロでも、誰しも勝てない時期を経験しています。
しかしそのような時期を乗り越えたからこそ、今の強さがあるのでしょう。
ちなみに天鳳名人戦で4連続ラスになった小林剛ですが、その直後のツイートがこちらです。
(゜ー゜)
— 小林剛 (@supatechi) June 13, 2014
こちらで当ブログでの麻雀戦術に関する記事をまとめていますので、ご覧ください。