押し引きは麻雀の中で一番難しいと言われています。
では押し引きはどのようにすればうまくなるのでしょうか。
こちらの記事では、押しすぎなどの問題を解消する押し引きの判断基準を解説しています。
押し引きが上手になるでしょう。
押し引きの課題・問題
こちらでは、押し引きの課題や問題について次の3つを解説しています。
- なぜ押しすぎる?
- 守備型は弱い?
- 押し引きが下手な人の特徴とは?
なぜ押しすぎる?
押しすぎる理由は、押し引きの基準を持っていないからです。
この状況なら押すとか、この状況なら引くといった判断の基準が必要。
このような押し引き判断の基準を持っていないと、その時々で判断がブレてしまいます。
このため押しすぎるとか引きすぎるという問題が起こりますので、基準を持つようにしましょう。
守備型は弱い?
守備型の雀風は弱いと言われることがありますが、そんなことはありません。
麻雀プロで最強と言われる多井隆晴は、守備型です。
重要な点は、押し引きの基準を持っているかどうか。
その基準は人それぞれ違っていても問題ありません。
多井隆晴は守備を重視する押し引き判断を持っていると言えるでしょう。
押し引きが下手な人の特徴とは?
押し引きの下手な人の特徴は、自分の基準を持っていないことです。
言い換えると、そのときの気分や感情で押し引きを判断してしまいます。
気分や感情で押し引きを判断してしまうと、押しすぎや引きすぎが起こることに。
これにより次のようなことが起こります。
- 放銃して余計な失点をする
- 加点のチャンスを失う
これでは負けてしまいますので、押し引きの基準を持つようにしましょう。
押し引き判断の基準
押し引き判断の基準として、次の3点が挙げられます。
- 期待値
- 統計データに基づいた押し引き表
- 感覚
期待値
期待値とはある選択の平均値です。
そしてこの平均値は、その選択の結果起こりうる報酬とその確率の積の和になります。
たとえばAという選択をした場合、次のようなことが起こりうるとしましょう。
- 20%の確率で100もらえる→100×20%=20
- 80%の確率で10とられる→-10×80%=-8
期待値は20-8=12となります。
さらにBという選択をした場合、同様に計算したところ、期待値は8でした。
その結果、期待値を比較すると12>8なので、Aを選択すべきとなります。
麻雀での具体例
ハイテイで放銃確率20%の危険牌をリーチ者に押すべきかどうかを、期待値から考えます。
状況は次の通りです。
- 他2人はオリていてノーテン確実
- 自分は危険牌を切ればテンパイ
- 放銃時は8,000点
押した時
- ロンされない場合→テンパイ料1,500点…1,500×80%=1,200
- ロンされる場合→-8,000点…-8,000×20%=-1,600
➡期待値の和=1,200-1,600=-400
引いた時
➡ノーテン罰符-1,000点…-1,000点×100%=-1,000
このためどちらもマイナスですが、-400>-1,000なのでこの状況では押した方が得となります。
なお確率や放銃した時の打点、他家のテンパイ有無も、実戦の中では推測です。
期待値については園田賢の「魔術の麻雀」により詳しく解説されています。
気になる方はチェックしてみてください。
麻雀のネクストレベルの扉を開く 魔術の麻雀 [ 園田賢 ]統計データに基づいた押し引き表
局収支の統計データに基づいた押し引き表を、ご紹介します。
この押し引き表は、次の条件が前提です。
- 危険度10%以下の牌を切ってリーチ
- 一発でない場合
自分が子の場合
自分子 | リャンメン | 愚形 |
---|---|---|
対子 | 1,300以上 | 2,600以上 |
対親 | 1,300以上 | 2,600以上 |
これを簡単に言うと、次のようになります。
- リャンメンなら全部追っかけリーチ
- 愚形なら1ハンあれば追っかけリーチ
自分が親の場合
自分親 | リャンメン | 愚形 |
---|---|---|
対子 | 2,000以上 | 2,000以上 |
つまり全部リーチです。
押し引き表の注意点
次の2つの注意点があります。
- 条件が異なる場合はそのまま使えない
- 点棒状況を加味していない
この押し引き表は、10%以上の危険牌や一発の可能性があるなど条件が異なれば使えません。
つまり上記の下限よりもっと打点がよくないと、押せないということです。
またこの押し引き表は、局収支の統計データのみで計算されていますので、点棒状況を加味していません。
たとえばオーラストップ目なら、上記の押し引き表より引き優位になるはずです。
このため東場などにこの押し引き表が有効となるでしょう。
統計データについてはみーにんさんの「統計学のマージャン戦術」で詳しく解説されています。
文章が堅く内容がマニアックすぎる点もありますが、押し引きの項目だけでも読む価値は十分あります。
太くないおこと渡辺太もみーにんさんの統計データを利用しています。
気になる方はチェックしてみてください。
「統計学」のマージャン戦術 (近代麻雀戦術シリーズ) [ みーにん ]【関連記事】→渡辺太(太くないお)の東大・大学・医者・医学部など経歴を徹底解説!
感覚
人によっては自分のこれまでの経験則に基づいた感覚で、押し引きを判断する人もいます。
その代表的な麻雀プロは、近藤誠一です。
近藤誠一はこれまでの自分の麻雀の経験から、押し引きを判断します。
つまり理論的な判断ではなく、右脳を働かせ感覚的に押し引きを判断するということです。
しかしかといってオカルトや流れに基づいてはいません。
あくまでも自分の経験に基づいています。
感覚による押し引きについては、近藤誠一の「麻雀 理論と直感力の使い方」がおすすめ。
経験に裏付けられた直観、感覚の使い方を知ることができます。
気になる方はチェックしてみてください。
麻雀 理論と直感力の使い方 (近代麻雀戦術シリーズ) [ 近藤 誠一 ]感覚派の雀士についてはこちらの記事もご覧ください。
ネット麻雀とフリー麻雀の押し引きの違い
ネット麻雀とフリー麻雀では、押し引きが異なります。
ネット麻雀の押し引き
ネット麻雀では、天鳳や雀魂に見られるように4着回避が基本の戦略になります。
なぜなら4位のポイント減少が大きく設定されているからです。
そのため押し引きとしては、雀荘のフリー麻雀にくらべると引くことが多くなります。
フリー麻雀の押し引き
フリー麻雀はオカやウマがあるため、トップの価値が高いルールになっています。
そのためネット麻雀にくらべると、押し優位です。
さらに赤などにご祝儀があれば、よりリーチして押していくことが多くなります。
なぜ押しすぎる?期待値・押し引き表など判断基準を徹底解説|まとめ
- 押し引き判断の基準として期待値、統計データ、感覚があります
- ネット麻雀とフリー麻雀では、押し引きが異なります
押し引きはアガリと放銃に直接影響するため、麻雀の技術の中でとても重要です。
でも麻雀で一番難しいのが押し引きでもあります。
そんな押し引きをマスターして、強くなりたいですよね。
「令和版 現代麻雀 押し引きの教科書」は、押し引きに強くなれます。
押し引きだけに特化した本で、押し引きの重要なポイントをマスターできます。
著者は多くの麻雀本を書いている福地誠ですので、しっかり身につきますよ。
この本で、押し引きのレベルアップを図ってください。
令和版 現代麻雀押し引きの教科書 [ 福地誠 ]