
堀内正人が日本プロ麻雀連盟に所属していた頃に起こった堀内正人十段戦失格事件。
堀内正人はなぜ失格になってしまったのでしょうか。
そして滝沢和典はこの事件にどう関わっているのでしょうか。
そこでこちらの記事では、滝沢和典が解説でした堀内への批判や失格処分の真相についてお伝えしています。
また滝沢和典の堀内への負い目についてもお伝えしています。
事件の真相が見えてきます。
滝沢和典が解説でした堀内への批判
日本プロ麻雀連盟の第30期十段戦(2013年)で、堀内正人が三味線をしたとされる動画です。
解説は、滝沢和典、佐々木寿人、勝又健志。
問題の3s切りの場面は、1:50頃。
滝沢和典の発言
- 「今の微妙だな」
- 「パンって叩きつけなければ空切りしてもいいと思うんですけど」
- 「モーションで打っちゃったとかなるとねえ、スレスレのプレイじゃないですか」
- 「3sを右に叩きつけたからね」
- 「僕やられたら(中略)、ふざけんなよって思っちゃうけど」
堀内の3s空切りに対してやや感情的な批判をしています。
佐々木寿人の発言
「(空切りの)効果あったかもしれないですね」
問題視はしておらず、単にテクニックとしての空切りに注目しています。
勝又健志の発言
「(堀内の動作に関して)勝負所で熱くなってたっていうのが、強そうですけどね」
と、冷静な状況分析。
滝沢の発言は責められるべきか
三人の発言は三者三様で、あの場面はこのように意見が分かれてもなんらおかしくない場面です。
つまりまさにグレーでした。
いろいろな見方ができ、三人の意見はどれもあってもいい一つの意見です。
滝沢の発言が堀内の失格の発端となったことによって、滝沢を批判する人もいますが、やや感情的になっているとはいえ、そこまで責められるべき発言でもありません。
そういう見方もできるという程度です。
堀内正人の失格処分
堀内は、対局中にしたとされるため息と3sの強打が、三味線行為にあたるとされ、失格となります。
そして制裁はそれだけでは足りなかったのか、翌年4月には1年間の公式戦出場停止が言い渡されます。
また元十段位の資格も剥奪されてしまいました。
その年の9月、堀内は連盟を退会します。
堀内外しに利用された滝沢和典の発言
当時、森山会長はじめ、上層部である小島武夫も、堀内の鳴きを多用したスピード重視の雀風をよく思っていませんでした。
それは解説など、普段の言動から明らかです。
麻雀に対する価値観の違いを受け入れることができない彼らは、堀内の躍進に我慢がなりません。
そんなとき滝沢の発言は、こじつけるのにおあつらえむきでした。
つまり滝沢の発言は、堀内排斥に利用されたのです。
重すぎる失格という処分
- 動画を見る限り堀内のため息は確認できない
- 3sをツモった時、卓に叩きつけているが、この程度は一般的なマナーの範囲内である
- 審判長の藤原は、失格になるほどの行為を目の当たりにしていながら、なぜその場で対局を止めなかったのか
これらの事実を客観的に考えた時、失格という処分はあまりにも重すぎます。
他のプロが同じことをしても、失格にはならないでしょう。
「勝負所で熱くなってしまった」という勝又の発言が、正しい判断なのです。
しかし森山という独裁政権の中で、歯向かう者はいません。
そして堀内は、退会にまで追い込まれます。
こうして連盟は、堀内という逸材を自ら手放したのでした。
堀内正人の信念
堀内正人は、自分の雀風が森山はじめ上層部に受け入れられていないことは、当然わかっていたはずです。
もし保身を考えるなら、その雀風を変えることもできました。
しかし変えませんでした。自分の雀風を貫き通しました。
保身より自分の信念を選んだのです。
麻雀に対する一途で真摯な思い。最大限の賛辞を送りたいと思います。
次の動画はこの事件の3年前、第27期十段戦で、初めて堀内が十段位を獲得した場面です。
堀内自身による説明
誤解されたくありませんので補足です。私は3sをツモったときにため息をついていませんし、手三味で相手を陥れようなんて考えたこともありません。これまで何があっても純粋に麻雀の技術だけで対局に望んできました。問題の局面は勝負所で息が荒くなりツモる手に力が入ってしまいました。
堀内正人ツイッター https://twitter.com/horihori0104
滝沢和典も堀内の雀風をよく思っていなかったのでは?
滝沢和典の雀風は、メンゼンに重きを置くバランスのとれた麻雀です。
そういった雀風の滝沢が、仕掛けを多用しスピードを重視する堀内の雀風をよく思っていなかった可能性はあります。
問題のシーンでの解説でも、佐々木寿人、勝又健志はまったく問題にしていないのに、滝沢はやや感情的になりながら問題視します。
確かにあくまでグレーな行為でしたので、問題視すること自体は理解できます。
しかしやや感情的になっているところは、私情があった可能性を推測させます。
堀内失格後の滝沢和典に対する批判
堀内失格後、明らかに不当な処分だったため、解説で問題視した滝沢はその発端を作ったとして多くの批判を受けます。
堀内プロのような才能溢れる人に辞めてほしくなかった。 滝沢プロに悪気はなかったと思いますが、あの解説がなければ何の問題にもならなかったのでは…と今でも思ってしまう自分がいます。
コウイチローhttps://twitter.com/kouichi04702577/status/1047459640731000834
中には、「堀内正人を売った卑劣漢」とか「滝沢ゴミやな」と口汚く批判する人もいました。
確かに滝沢和典の発言が、一連の事件の発端となったのは間違いありません。
また感情的な発言であることも否めません。
しかし「スレスレ」であって、違反であるとは言っていません。
そしてグレーなプレイに対して、問題を提起するのはもっともであり、滝沢が責められるべき点はありません。
責められるべきは、堀内排斥のために、滝沢の発言を利用した森山はじめ連盟の上層部にあります。
滝沢和典は堀内正人に負い目を感じているのでは?
滝沢和典は、自分の発言が元で、一人の麻雀プロの人生を台無しにしてしまったという自責の念を抱いているはずです。
麻雀にかける道を断たれた男の痛みを、滝沢がわからないわけはありません。
そして周りからの批判を受けるたびに、自責の念は増していったでしょう。
連続降級というスランプ
自責の念は、麻雀に影響を及ぼしていったと考えられます。
- 2016年 B1リーグに降級
- 2017年 B2リーグに降級
- 2018年 C1リーグに降級
滝沢和典の麻雀
モンド王座や王位をとった頃の滝沢和典は、今にくらべてもっと感性寄りの麻雀を打っていました。
牌効率から外れた選択、チャンスと見るや果敢に切り込む押し、独特な構想力。
どれも創造性豊かな、感性にあふれた麻雀でした。
本人も言っているように、どこかで理論的な麻雀にシフトしたようなのですが、明らかに以前の方が魅力的です。
ギラギラとした目で、獲物のにおいをかぎ分けるような野性味のある麻雀でした。
滝沢和典、そして堀内正人のその後
二人とも方向性は異なりますが、現在も活躍しています。
滝沢和典はコナミ麻雀格闘倶楽部に所属するMリーガーです。
堀内正人は現在、人気YouTuberとして活躍しています。
所作の美しさ
二人の所作の美しさは、特筆に値します。
彼らは常に一定のリズム、モーションで摸打を繰り返します。
そこには感情を所作に出さないというストイックさが見られます。
つまり彼らはあの事件を教訓にしているのです。
堀内は疑われるような動作は二度としないと反省し、感情が所作に出ないよう気をつけているように見えます。
滝沢は堀内の所作を疑わしいと指摘したからには、自分もしっかりやらないといけないという意志が感じられます。
二人とも強打したり、ためをつくったりなんてことは微塵もしません。
表情に出すことすら押し殺しています。
いろいろな思いを乗り越えて、自分のできることをしっかりとしています。
人間として素晴らしいですよね。
滝沢和典 Mリーグ
堀内正人horihori TV
チャンネル登録者数は、11万人を超えています。
麻雀の所作のシーン 9:47~
堀内正人の最新麻雀戦術本

「令和版 神速の麻雀 堀内システム55」
統計データをベースに、スピード重視で先手をとり、先手をとられたらベタオリするというシステマティックな麻雀です。
考え方はいたってシンプルで、いかにシステムを徹底するかということに力点が置かれています。
「令和版 神速の麻雀 堀内システム55」が気になる方はこちらもチェック滝沢和典に端を発した堀内正人失格事件の真相 滝沢和典の負い目とは?|まとめ
- 滝沢和典は解説で堀内の所作を三味線スレスレと批判しました
- 滝沢和典の発言は、堀内外しに利用されました
- 滝沢和典も堀内の雀風をよく思っていなかったと推測します
- 滝沢和典は堀内正人に負い目を感じ、スランプに陥ったと推測します
- 二人の所作の美しさは、事件を教訓にしているからです
事件を乗り越え、二人とも前を向いて歩いています。
そんな二人に、今後もエールを送りたいと思います。
ところで堀内のマナーの悪さを指摘した森山は、アトミックリーチ、強打、引きヅモ、捨てた牌を戻す・・・など、やりたい放題です。
堀内の所作の美しさは、そんな森山へのあてつけでもあるでしょう。