麻雀で遊んだことのある人ならば、「焼き鳥」というワードを耳にしたことがあるかもしれませんが、「焼き鳥の意味はなんとなくわかるけど、なんで”焼き鳥”って言うの?」と疑問に思った人も多いはず。
実は麻雀における焼き鳥という言葉の語源には、いくつか面白い説があるようで、そのどれもが日本人らしいユニークな説です。
そこで今回は、麻雀用語の「焼き鳥」の語源についてと、意外と知られていない追加ルールの「焼き直し」、そして気になるペナルティについて詳しく解説していきます。
そもそも麻雀における「焼き鳥」とは?
麻雀において「焼き鳥」とは、一言で説明するのなら「半荘(または一局の区切り)の間で、一度もあがれなかった人」を指す麻雀用語です。
通常の麻雀では4人で点数を奪い合いますが、半荘終了時までに一度も「ロン」や「ツモ」で上がることのできなかったプレイヤーは、別途ペナルティを受けてしまいます。
多くの雀荘やセット麻雀には、「焼き鳥マーク」と呼ばれる鳥のマークが卓に置かれており、一度でもあがることができたら焼き鳥マークを返却できます。そして最後まで焼き鳥マークを持っていたプレイヤーがペナルティという流れが一般的です。
どうして「焼き鳥」になった?面白い語源について
麻雀における「焼き鳥」という言葉には、語源となる説がいくつか存在します。ここではその中でもとくに有名なものを3つ見ていきましょう。
「飛べない鳥」説
鳥は本来、自由に空を飛び回る生き物です。しかし串に打たれて焼き鳥の状態になってしまった鳥は、もはや飛び上がることはできません。
麻雀で一度もあがれない状態は、「串に刺されて身動きが取れず、空に飛び立つ(あがる)事ができない鳥」という解釈から、焼き鳥と呼ぶようになったと言われています。
「むしり取る」説
麻雀にて一度もあがれずに負け続けている「点棒をむしり取られている状態」が、「鳥の羽をむしり取って焼き鳥にする」に変化したという説もあります。
さらには、「あがらない」が「揚がらない」に変化をし、「揚がらないのならば、焼くしかない」となって焼き鳥になったという説もあるとのことです。
いずれにせよ、調理する前に鳥の羽をむしる下処理が必要なため、「点棒(羽)をむしり取る」からきていると言われています。
「平和(ピンフ)の鳩」説
麻雀の最も基本的な役の「平和(ピンフ)」ですが、日本では平和の象徴として鳩をイメージする人も多いでしょう。
基本的な役の平和すら一度もあがれないということを、「平和(鳩)を手にすることができず、無残にも焼かれてしまった」と解釈するという説です。
恐怖の追加ルール「焼き直し(やきなおし)」とは?
焼き鳥というルールをさらに強化したのが、「焼き直し(やきなおし)」というルールです。
通常の焼き鳥ルールでは、一度でもあがることができれば焼き鳥は解消されます。しかし、「焼き直し」ルールを採用していた場合、「全員が焼き鳥を脱出した時点で、もう一度全員が焼き鳥状態に戻る」という現象が起こります。
この焼き直しルールがあることによって、最後の焼き鳥プレイヤーが「最終局であがって全員を道連れにする」ということも可能となるため、対局に独特の緊張感が生まれ、一度あがって安心しているプレイヤーも気を抜くことのできない状況となります。
「焼き鳥」のペナルティについて
焼き鳥のペナルティ(罰符)は、遊ぶ場所やルール設定などによって大きく異なりますが、一般的には以下のような相場となっています。
- 点数計算の場合:1人につき10,000~30,000点の支払い
- チップ・ご祝儀の場合:1人につきチップ1~数枚
焼き鳥状態のプレイヤーが1人の場合、その1人が他の3人に対して決められた点数を支払うことが一般的です。もし、焼き鳥プレイヤーが2人の場合は、その2人が他の2人に対して支払いを行います。
ペナルティ(罰符)の支払い例
焼き鳥のペナルティ(罰符)の支払い方について、いくつか例を見てみましょう。
以下は焼き鳥のペナルティが「30,000点相当」だった場合の支払い例です。
- 1人が焼き鳥:あがった3人に対して、10,000点ずつ支払う(合計30,000点の損失)
- 2人が焼き鳥:焼き鳥2人が15,000点ずつ支払い、あがった2人も15,000ずつ受け取る
- 3人が焼き鳥:あがった1人に対して、3人が10,000点ずつ支払う
もし罰符の支払いがチップだった場合は、「焼き鳥だった人が、ほかのプレイヤーに決められた枚数分渡す(1枚なら1枚ずつ)」と覚えておけば大丈夫でしょう。
【おまけ】焼き鳥を回避するための戦略
麻雀の焼き鳥は、実力だけではなく運の要素も大きく、プロでも焼き鳥になってしまうことも珍しくありません。実際にプロ麻雀リーグの「Mリーグ」でも、渋川難波 焼き鳥が大きな話題となったことも。
なるべく焼き鳥を回避できるように意識するポイントは以下のようなものがあります。
「安い手」でもいいから一回あがる
高打点を目指すがあまり焼き鳥になってしまうのが一番危険です。焼き鳥ルールがある場合はとりあえず1回、1000点や2000点などの安い手でもよいのであがることを最優先で意識するようにしましょう。
鳴きを駆使する
メンゼンにこだわりがあり、「ポン」や「チー」などの鳴きを極力行わないプレイヤーもいるかもしれませんが、喰いタンや役牌などの特急券を狙い、とにかく「1回あがった」実績を作ることが大切です。
終盤の焦りは禁物
自分が焼き鳥状態のまま南3局やオーラスを迎えてしまうと、精神的に追い詰められて無理な勝負をしがちです。大きなミスをして、焼き鳥の罰符以上の点棒を失う可能性も。
早めの中盤戦のうちに、リスクを負ってでも一度あがりを拾いに行く姿勢が大切かもしれません。
まとめ
麻雀における「焼き鳥」というルールは、半荘終了時に一度もあがれなかったプレイヤーがペナルティ(罰符)を支払わなければならない特殊なルールです。このルールがあることにより、なんとしてでも一度は上がらなければならないという緊張感が生まれ、対局がより面白いものになります。
焼き鳥の語源には面白い説がいくつもあり、そのどれもが「飛べない鳥は焼かれるのを待つだけ」というニュアンスのものが多くある印象です。
焼き鳥自体は麻雀のゲーム性上、運の要素が強く実力だけでは回避することは難しいかもしれません。しかし、安い手や鳴きを有効に使うことで回避できる可能性を高めることは可能です。
みなさんも、焼き鳥ルールを取り入れた少しスリリングな麻雀を楽しんでみましょう。











