麻雀放浪記は、阿佐田哲也の小説を原作とする作品で、1984年には和田誠監督の手で映画化されました。2019年には、斎藤工さん主演の『麻雀放浪記2020』も公開されています。本記事では、原作と1984年版映画のあらすじや主なキャストを整理し、2つの映画の違いについても詳しく調べてまとめました。
麻雀放浪記とはどんな作品?
麻雀放浪記の原作は、阿佐田哲也が書いた長編の麻雀小説です。阿佐田哲也という名前は、純文学作家として知られる色川武大のペンネームとして紹介されています。博打に人生を賭ける男たちの生きざまが描かれ、日本のギャンブル小説を代表する作品の一つとされてきました。2019年3月29日には、全4部をまとめた電子書籍の合本版も文藝春秋から発売されました。
全4部で描かれる坊や哲の歩み
各篇の内容を簡単に紹介しましょう。
- 青春篇:終戦直後の焼け跡で、ドサ健や出目徳、女衒の達らと渡り合う
- 風雲篇:イカサマを見破られて関西へ逃れ、京都の博打寺で激闘を繰り広げる
- 激闘篇:肘を痛めてイカサマができなくなり、高利の借金で窮地に立たされる
- 番外篇:無頼の暮らしから足を洗った哲の前に、因縁のある男が再び姿を見せる
小説は4つの篇で構成され、いずれの篇も主人公の坊や哲を軸に物語が展開します。
参考サイト:文藝春秋BOOKS
麻雀放浪記のあらすじ
1984年の映画は、小説の第1部にあたる青春篇を実写化した作品です。敗戦後の東京で、学校へ戻らずに日々を過ごしていた若者の哲が主人公として登場します。哲は、かつて自分に博打を教えた上州虎と再会を果たしました。やがてプロの勝負師であるドサ健とも知り合い、米兵を相手にした秘密のカジノへ足を踏み入れました。物語が進むにつれて、哲は出目徳や女衒の達といった腕利きの博打打ちとも関わっていきます。さまざまな勝負師との出会いを重ねながら、博打の世界で生きる術を身につけていく姿が描かれています。
和田誠が初監督を務めた映画
1984年版の監督を務めたのは、イラストレーターとして活躍していた和田誠です。本作が初めての監督作品で、脚本は澤井信一郎と共同で手がけました。公開日は1984年10月10日、上映時間は109分で、配給は東映が担当しています。第8回日本アカデミー賞では優秀作品賞を受賞し、出目徳役の高品格が最優秀助演男優賞に輝きました。
参考サイト:映画.com
映画版麻雀放浪記のキャスト
主人公の坊や哲を演じたのは真田広之さんです。勝負師たちにもまれながら、博打の世界へ深く入り込んでいく若者の姿を、繊細な表情で演じました。第8回日本アカデミー賞では、優秀主演男優賞を受賞しています。坊や哲は物語の中心に立ち続ける人物なので、真田さんの演技に注目しながら見ると作品をより楽しめるでしょう。
脇を固めた主な共演者
哲を取り巻く博打打ちや女性たちにも、存在感のある俳優が起用されました。主な配役は次のとおりです。
- ドサ健:鹿賀丈史
- 出目徳:高品格
- 上州虎:名古屋章
- 女衒の達:加藤健一
- まゆみ:大竹しのぶ
- オックスクラブのママ:加賀まりこ
日本アカデミー賞では、鹿賀丈史さんが優秀助演男優賞、高品格さんが最優秀助演男優賞、大竹しのぶさんが優秀助演女優賞を受賞しています。
麻雀放浪記2020とはどんな映画?
麻雀放浪記2020は、2019年4月5日に公開された白石和彌監督による映画です。主演の斎藤工さんは、和田誠監督の麻雀放浪記を大好きな映画の1本に挙げています。原作小説を原案にした映画化を10年にわたって望み続け、企画の立ち上げから作品に関わってきたそうです。監督には、『孤狼の血』などで知られる白石和彌さんが起用されました。1984年版の公開から35年を経て、新たな麻雀放浪記が誕生したわけです。
参考サイト:MOVIE WALKER PRESS
2020年の日本へタイムスリップ
主人公の坊や哲は、1945年の戦後から2020年へタイムスリップしてきた勝負師です。たどり着いた日本では第三次世界大戦が起こり、東京オリンピックも中止されていました。少子高齢化や政治の不祥事、労働者の搾取といった問題を抱える社会で、哲は麻雀の勝負に挑んでいきます。原作とはまったく異なる世界観の中で、哲がどのように戦うのかが注目ポイントです。
麻雀放浪記2020のキャスト
斎藤工さんが坊や哲を演じたほか、俳優やタレント、ミュージシャンなど幅広い顔ぶれがそろいました。主な配役は以下のとおりです。
- 坊や哲:斎藤工
- ドテ子:もも(チャラン・ポ・ランタン)
- 八代ゆき:ベッキー
- クソ丸:竹中直人
- ドク:岡崎体育
- ドサ健:的場浩司
- 出目徳:小松政夫
ベッキーさんは、オックスクラブのオーナーと、AIを搭載したアンドロイドの2役に挑みました。
麻雀放浪記と麻雀放浪記2020の違い
同じ小説をもとにしていながら、2つの映画には時代設定や原作の扱い方などに大きな違いがあります。1984年版は、原作と同じく終戦直後の東京を舞台にした作品です。一方の麻雀放浪記2020では、戦後を生きていた主人公が未来の2020年へ移動するという設定が加えられました。昭和の焼け跡を正面から描いた作品と、近未来の日本を描いた作品という点で、2作の印象は大きく異なります。同じ坊や哲でも、置かれた環境が違うだけで物語の手触りは変わるものです。
原作の扱い方の違い
1984年版は、小説の第1部である青春篇を実写化した映画です。対する2020年版は、小説を原案として扱い、物語の設定を大胆に作り替えています。ドサ健や出目徳など原作でおなじみの人物が登場する一方、アンドロイドや地下アイドルといった新しい要素も加わりました。原作の雰囲気を味わいたい人は1984年版、斬新なアレンジを楽しみたい人は2020年版から見るのがおすすめです。
同じ役を演じたキャストの比較
両作に共通する主な役柄を、キャストで比べてみましょう。
| 役名 | 1984年版 | 2020年版 |
| 坊や哲 | 真田広之 | 斎藤工 |
| ドサ健 | 鹿賀丈史 | 的場浩司 |
| 出目徳 | 高品格 | 小松政夫 |
| オックスクラブの女性 | 加賀まりこ | ベッキー |
オックスクラブの女性は、1984年版ではママ、2020年版ではオーナーとして描かれています。配役の違いに注目して見比べるのも、楽しみ方の一つです。
まとめ
麻雀放浪記は、阿佐田哲也の小説をもとに、戦後を生きる博打打ちたちの姿を描いた作品です。1984年の映画では真田広之さんが坊や哲を演じ、作品も日本アカデミー賞の多くの部門で受賞を果たしました。麻雀放浪記2020は設定を大胆に変えた作品なので、2作を見比べて違いを楽しんでみてください。








